「覚悟を決めてこられましたか?」
その訊き方は、
「やっぱり止めますぅ。」
という患者がいるということだろうか。
「抜いちゃってください。」
「では。」と、
違和感たっぷりの麻酔の注射。
本当に痛い時だけ、左手を上げてくださいね。」
…。
「はい、もう抜けました。」
意外と、あっさり?
抜いた日の夜の食事は、
反対側で噛むよう気を使った。
翌日の朝は違和感が多少あったけど、
食事は普通にできた。
さすがに歯ブラシを当てるのはまだ怖くて、
その代わりにうがいをいつも以上にした。
これは医者からも言われていて、
「まだ大穴が開いているので、うがいは積極的にしてね!」
と。
3日も過ぎると、
歯ブラシを当てることができるようになった。
歯ブラシを当てて、
これまであった歯がないのを感じるのは、
ちょっと寂しい…。
1週間も過ぎると、
意識しながらも普通に噛むことができるようになり、
2週間経過する頃には、
そんな意識していたことも忘れて、
思い出すのは歯をみがく時ぐらいだ。
はぐきの大穴の埋まり具合、
というか、
回復具合はどんな感じだろうか。
さすがに口の中は自分では確認できないからねぇ。
まぁ、
ファイバーなスコープでも用意すれば見ることはできるだろうけど、
そこまでは…。